第一子が生まれたときは、親として初めての育児に戸惑うことが多かった。泣き止まない理由もわからず、試行錯誤しながらの日々。
それでも、赤ちゃんと1対1で向き合う時間はたっぷりあり、その分、愛情をしっかり注ぐことができた。
しかし、下の子が生まれると状況は一変。上の子は「お兄ちゃん」としての立場になり、ママの腕の中にいる赤ちゃんを見つめるたびに、少し寂しそうな表情を浮かべていた。特に、母乳をあげているときの切なそうな顔は、今でも忘れられない。
それでも、お兄ちゃんは赤ちゃんのオムツを替えたり、優しくあやしたりと、小さな手でできることを頑張っていた。そんな日々を過ごしているうちに、3年が経過。赤ちゃんだった弟はすっかり成長し、今ではお兄ちゃんのことが大好きで、いつもそばを離れようとしない。
一方で、お兄ちゃんもすっかり頼れる存在に変わった。以前は甘えん坊だったのに、弟にとって優しい兄になり、成長を感じることが増えた。弟はお兄ちゃんの影響で言葉の発達が早く、観察力も鋭い。一方、お兄ちゃんはおっとりしているが、年下に対して面倒見がよく、優しさを持って接している。
赤ちゃんが生まれたとき、上の子にとっては「お母さんを取られる」という初めての試練だったのかもしれない。それを乗り越え、今では兄弟としてしっかりとした関係を築いている姿を見ると、成長の喜びを実感する。